石原慎太郎NY憂国演説…都知事に学ぶ米中の脅し方
米国で石原節が完全復活。慰安婦問題から核保有まで国会議員が口ごもる直言が相次いで飛び出した。相変わらず脅し文句は痛快無比。中でも怒濤の中共批判が石原都知事の真骨頂だ。
「戦争中に軍がそういう女性たちを調達した事実はまったくありません。ただ、便乗して軍にそういうものを提供することを商売にした人間はいましたな」(朝日新聞)
“従軍慰安婦”問題について石原慎太郎都知事が直言した。実に分かりやすい物言い…それが石原節の小気味良さだ。
しかも発言が飛び出したのはNYで開かれた講演だった。慰安婦に関する知識の乏しいニューヨーカーへの説明としては、回りくどい歴史講義より、ストレートな言い方がベターである。
▽画像:NNN
どのような文脈で発言が出たのか、詳細は不明だが、もっと長々と語って貰いたいものだ。ワシントンでホンダ決議案が迷走し始めた今こそ、日本の有力な政治家が攻め込むべきだろう。
その点ではグッドタイミングである。
石原都知事の訪米は、5月14日に開幕した「第2回世界大都市気候変動サミット」に出席するためだった。このサミットは世界の40都市以上のトップが一堂に会するもので、首長の他に今回はクリントン前大統領なども参加したという。
▽気候サミットでの記念撮影(AP)
石原都知事は米東部時間5月17日、日米交流団体「ジャパン・ソサエティ」の会合に出席、その講演で慰安婦問題に関する発言が出た。石原節はそれに留まらず、発言は対中認識からヒル国務次官補への嫌味まで多岐に渡った。
【6ヵ国協議に見る米外交の限界】
「アメリカがリーダーシップを発揮できていない」(NNN)
「米国の姿勢はあやまり」(産経新聞)
6ヵ国協議での米国務省の弱腰姿勢に、石原都知事はかなり苛立っているようだ。首相官邸や谷内外務次官あたりが言いたくても言えないことをズバズバ言う。
「北朝鮮の核をめぐる6か国協議でのアメリカ政府の姿勢は、あいまい。私たちは全然アメリカを信用できなくなっている。北朝鮮と中国は、とてもややこしい関係。アメリカの外交力では、冷静に、さばけない」(NNN)
▽講演で発言する石原都知事(NNN)
曖昧路線…即ち柔軟姿勢への痛烈な批判だ。細かく言えば高濃縮ウラン問題を宙吊りにした米国の二重基準を指しているのだろう。米国のゴールラインが見えていないことへのクレームである。
また、ヒル次官補が中共の頭を飛び越して北朝鮮と直接対話に乗り出したことが、混乱の原因と指摘しているかのようだ。米国務省は明らかに中朝間の舵取りでミスを犯した。
「北朝鮮は約束を履行していない。米国は手玉にとられている」「拉致されて家族を失った人たちの心中は決して穏やかでないでしょう」(産経新聞)
講演後、記者団に対して、こう語ると共に、石原都知事は捨て台詞も吐いていた。
「米国も国力の限界を感じているのでは」(産経新聞)
▽サミット会場で会見する石原都知事(AP)
対イラン問題で武力行使を視野に入れる中、米国は二正面作戦に容易に踏み切れない。軍事力をバックにしないと米外交は一気に迫力を欠いてしまう…多くが薄々勘付いていることだが、ハッキリに口に出すから痛快だ。
そして、今回のNY発言の中でメーンディッシュとなるのが、日米関係だ。この問題は、対中認識と直接リンケージしている。
【北京五輪の祭りの後に大混乱が…】
「中国の経済は2008年の北京五輪までしか持たないとの見解で英エコノミスト誌の編集長と一致した」(産経新聞)
少しフォローすると、エコノミスト誌の編集長とは『日本の選択』『日はまた昇る』などの日本論著作で知られるビル・エモット氏だ。昨秋の産経連載エッセイ『日本よ』の中で、石原都知事はロンドンでエモット氏と会った話を書いていた。
先般オリンピック問題のために出向いたロンドンで旧知の優れたエコノミスト、ビル・エモット氏と歓談したが、彼も私と同意見で、日本の経済学者が中国経済の量の大きさに幻惑されたちすくんでいるのを笑っていた。(2006年10月4日産経新聞『日本よ』)
一部では「2011年シナ沿岸バブル崩壊説」が真しやかに囁かれている。上海万博までは何とか持ち堪える…とするのが大方の予想だが、石原都知事は五輪時期の後と睨んでいるようだ。来年ではないか…
余談だが、この回の『日本よ』は、対中認識を説いた傑作で、NYでの石原発言の基礎部分が解る。(エントリ末尾にリンク)そこでも持論が披瀝されているが、石原都知事は17日の講演で、こう語っている。
▽NYで講演する石原都知事(NNN)
「7000万人を殺してはばからない人(毛沢東主席)を国父と仰いでいる共産主義政権に米国は対抗できない」(時事通信)
なぜ、対抗できないのか?
「3000人のイラク兵の死亡が政権を揺るがしている」(産経新聞)
石原都知事は「戦争の帰結は人間の生命の消耗戦」と定義付けている。2年前にワシントンで講演した時も石原都知事は、その持論に基づき、仮に米中戦争が起きれば「米国は絶対にシナに負ける」と断言。波紋を広げた…
「戦争は、しょせん生命の消耗戦だ。米国はイラクで米兵が2000人死ぬだけで大騒ぎするが、生命に対する価値観が全くない中国は憂いなしに戦争を始めることが出来る。戦渦が拡大すればするほど生命の価値にこだわる米国は勝てない」(2005年11月3日の米講演より)
米中戦争は、あくまでも仮定の話だが、一方で「台湾有事」はリアルなシミュレーションが要求される。日米同盟をも揺るがす事態だ。
【台湾・尖閣有事で米国を牽制】
石原都知事は北京五輪時期の後、シナで混乱が露呈する可能性も棄てきれないと説く。中共はその時、政権の命運を賭けた一手を打つ。石原都知事が軍事的冒険主義と呼ぶ台湾侵攻だ。
「独裁政権は経済が破綻し、社会が混乱したとき必ず軍事的冒険主義に出てくる。それは台湾や尖閣諸島に向けられるかも知れない」(産経新聞)
必ず…という断定口調がスゴい。
▽NY講演の模様(NNN)
中共軍が台湾侵攻に踏み切るか否かは、識者の間でも各々の「対シナ観」で180度違ってくる。そこで前提として認識しておく必要があるのは、中共は今でも台湾侵攻を“解放”と位置付けていることだ。
侵略ではなく、あくまで“解放”なのである。実際に武力行使に踏み切るかどうか見極めるうえで、そうした中共の表現は重要な指針となる。
この発言の続いて石原都知事は、台湾有事に絡んで日米関係にも言及している。それはモンデール発言を下敷きにした指摘だったようだ。
「米国がどれだけ日本の防衛に責任を持つかは極めて疑問だ」(時事通信)
1996年、モンデール駐日大使は「尖閣諸島の紛争では日米安保は発動されたない」と明言。石原都知事らが激高して猛批判を行ない、モンデールは更迭された。しかし、クリントン政権は1年半も新任大使を赴任を拒絶。近年における日米同盟最大の危機であった。
▽気候サミットに出席する石原都知事(AP)
ワシントンはその後「尖閣は日米安保の適用範囲」と繰り返し明言しているが、日本側の不信感は完全に消えていない。NYの講演で石原都知事は再び米政権を脅した。
それはワシントンが耳にしたくないパンチ力のある言葉だった…
【日本核武装と日米同盟の黄昏】
「駄目なら駄目で日本は自分で自分を守る努力をしますし、それはアメリカが懸念している核保有につながるかも知れませんね」(JNN)
▽NY講演での石原都知事(AP)
この核保有発言を絶賛する。
日本核武装論は発言すること自体に大きな意味がある。本来ならば国政議員の大物が口にすべきだが、都知事の発言も充分に重い。
自民党の幹部クラスが発言を控える中で、ジョーカー的に石原都知事が直言したのは実に効果的だ。核保有をチラつかせることは、米国に留まらず、特亜3国に対しても強い牽制力を持つ。
更に石原都知事は、こう訴える。
「米国にとって日本の存在感が軽いものになっている」(産経新聞)
「日本は決して(米自治領の)プエルトリコのような存在ではないと日米両国民が認識し直す必要がある」
「日本が本当にアメリカにとって守るべき価値があるかないかという事への対応をしっかりした方が良い」(共同通信)
言葉は激しいが、どこか「日米同盟の黄昏」を予見しているかのような憂いを含む発言だ。石原都知事は、ポスト・ブッシュの時代、つまり米民主党政権の誕生に強い危機感を持っているように感じられる。
モンデール発言で日米関係が危機的な状況に陥った時も民主党政権下だった。来年の秋以降にシナが混乱期を迎えるとすれば、ヒラリーやオバマ政権の誕生はバッド・タイミングだ。
▽気候サミットでも米批判(NNN)
米民主党は通商分野こそ反中的だが、軍事面では明らかに及び腰。台湾海峡に暗雲が立ち籠めても、二の足を踏む可能性が高い。中共から見れば、そこに付け入る隙はあるだろう。
石原都知事は、その辺りをズバリ指摘している。
「日米関係の将来に大きな意味を持つのは、中国をどう認識し、評価するかだ」(読売新聞)
対中認識は実に重要だ。中共を“平和勢力”と見なすか、または「危険な政権」と捉えるかで全く意見が異なり、議論は永遠に噛み合ない。
それは日米関係に限らず、憲法論議や集団的自衛権の解釈でも基底に潜む重要な認識だろう。
▽講演で熱弁ふるう石原都知事(AP)
石原都知事の中共認識は「7000万人を殺した政権」
実に明快な回答である。親中派の言論人や反日・媚中メディアから毛嫌いされる理由もよく分かる…
歯に衣着せぬ中共批判が政治家・石原慎太郎の真骨頂。やっぱり日本には石原節が必要だ。
〆
最後まで読んで頂き有り難うございます♪
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発 となります
↓

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【side story】
各メディアで部分的に取り扱われたNY講演での発言をまとめてみました。消失しているもの以外は、下記にソースを明示します。明らかになっている発言をカタログ的に全て収録したつもりですが、漏れがあるかも知れません。
また混乱を避ける為、17日の講演会以外の発言は色分けしました。
参考記事:
産経新聞5月18日『石原都知事、NYで講演 米が責任果たさぬなら核保有も』
時事通信5月18日『日本核保有の可能性も=中国の「軍事冒険主義」を警戒-石原都知事』
日テレ5月18日『石原都知事「信用できない」と米政府を非難』
読売新聞5月18日『石原知事、米の日本防衛に懐疑的見方…NYでの講演で』
スポニチ5月18日『石原都知事 ニューヨークで米国批判』(共同通信)
参照:
石原慎太郎『日本よ』2006年10月(『宣戦布告』より)
「戦争中に軍がそういう女性たちを調達した事実はまったくありません。ただ、便乗して軍にそういうものを提供することを商売にした人間はいましたな」(朝日新聞)
“従軍慰安婦”問題について石原慎太郎都知事が直言した。実に分かりやすい物言い…それが石原節の小気味良さだ。
しかも発言が飛び出したのはNYで開かれた講演だった。慰安婦に関する知識の乏しいニューヨーカーへの説明としては、回りくどい歴史講義より、ストレートな言い方がベターである。
▽画像:NNN
どのような文脈で発言が出たのか、詳細は不明だが、もっと長々と語って貰いたいものだ。ワシントンでホンダ決議案が迷走し始めた今こそ、日本の有力な政治家が攻め込むべきだろう。
その点ではグッドタイミングである。
石原都知事の訪米は、5月14日に開幕した「第2回世界大都市気候変動サミット」に出席するためだった。このサミットは世界の40都市以上のトップが一堂に会するもので、首長の他に今回はクリントン前大統領なども参加したという。
▽気候サミットでの記念撮影(AP)
石原都知事は米東部時間5月17日、日米交流団体「ジャパン・ソサエティ」の会合に出席、その講演で慰安婦問題に関する発言が出た。石原節はそれに留まらず、発言は対中認識からヒル国務次官補への嫌味まで多岐に渡った。
【6ヵ国協議に見る米外交の限界】
「アメリカがリーダーシップを発揮できていない」(NNN)
「米国の姿勢はあやまり」(産経新聞)
6ヵ国協議での米国務省の弱腰姿勢に、石原都知事はかなり苛立っているようだ。首相官邸や谷内外務次官あたりが言いたくても言えないことをズバズバ言う。
「北朝鮮の核をめぐる6か国協議でのアメリカ政府の姿勢は、あいまい。私たちは全然アメリカを信用できなくなっている。北朝鮮と中国は、とてもややこしい関係。アメリカの外交力では、冷静に、さばけない」(NNN)
▽講演で発言する石原都知事(NNN)
曖昧路線…即ち柔軟姿勢への痛烈な批判だ。細かく言えば高濃縮ウラン問題を宙吊りにした米国の二重基準を指しているのだろう。米国のゴールラインが見えていないことへのクレームである。
また、ヒル次官補が中共の頭を飛び越して北朝鮮と直接対話に乗り出したことが、混乱の原因と指摘しているかのようだ。米国務省は明らかに中朝間の舵取りでミスを犯した。
「北朝鮮は約束を履行していない。米国は手玉にとられている」「拉致されて家族を失った人たちの心中は決して穏やかでないでしょう」(産経新聞)
講演後、記者団に対して、こう語ると共に、石原都知事は捨て台詞も吐いていた。
「米国も国力の限界を感じているのでは」(産経新聞)
▽サミット会場で会見する石原都知事(AP)
対イラン問題で武力行使を視野に入れる中、米国は二正面作戦に容易に踏み切れない。軍事力をバックにしないと米外交は一気に迫力を欠いてしまう…多くが薄々勘付いていることだが、ハッキリに口に出すから痛快だ。
そして、今回のNY発言の中でメーンディッシュとなるのが、日米関係だ。この問題は、対中認識と直接リンケージしている。
【北京五輪の祭りの後に大混乱が…】
「中国の経済は2008年の北京五輪までしか持たないとの見解で英エコノミスト誌の編集長と一致した」(産経新聞)
少しフォローすると、エコノミスト誌の編集長とは『日本の選択』『日はまた昇る』などの日本論著作で知られるビル・エモット氏だ。昨秋の産経連載エッセイ『日本よ』の中で、石原都知事はロンドンでエモット氏と会った話を書いていた。
先般オリンピック問題のために出向いたロンドンで旧知の優れたエコノミスト、ビル・エモット氏と歓談したが、彼も私と同意見で、日本の経済学者が中国経済の量の大きさに幻惑されたちすくんでいるのを笑っていた。(2006年10月4日産経新聞『日本よ』)
一部では「2011年シナ沿岸バブル崩壊説」が真しやかに囁かれている。上海万博までは何とか持ち堪える…とするのが大方の予想だが、石原都知事は五輪時期の後と睨んでいるようだ。来年ではないか…
余談だが、この回の『日本よ』は、対中認識を説いた傑作で、NYでの石原発言の基礎部分が解る。(エントリ末尾にリンク)そこでも持論が披瀝されているが、石原都知事は17日の講演で、こう語っている。
▽NYで講演する石原都知事(NNN)
「7000万人を殺してはばからない人(毛沢東主席)を国父と仰いでいる共産主義政権に米国は対抗できない」(時事通信)
なぜ、対抗できないのか?
「3000人のイラク兵の死亡が政権を揺るがしている」(産経新聞)
石原都知事は「戦争の帰結は人間の生命の消耗戦」と定義付けている。2年前にワシントンで講演した時も石原都知事は、その持論に基づき、仮に米中戦争が起きれば「米国は絶対にシナに負ける」と断言。波紋を広げた…
「戦争は、しょせん生命の消耗戦だ。米国はイラクで米兵が2000人死ぬだけで大騒ぎするが、生命に対する価値観が全くない中国は憂いなしに戦争を始めることが出来る。戦渦が拡大すればするほど生命の価値にこだわる米国は勝てない」(2005年11月3日の米講演より)
米中戦争は、あくまでも仮定の話だが、一方で「台湾有事」はリアルなシミュレーションが要求される。日米同盟をも揺るがす事態だ。
【台湾・尖閣有事で米国を牽制】
石原都知事は北京五輪時期の後、シナで混乱が露呈する可能性も棄てきれないと説く。中共はその時、政権の命運を賭けた一手を打つ。石原都知事が軍事的冒険主義と呼ぶ台湾侵攻だ。
「独裁政権は経済が破綻し、社会が混乱したとき必ず軍事的冒険主義に出てくる。それは台湾や尖閣諸島に向けられるかも知れない」(産経新聞)
必ず…という断定口調がスゴい。
▽NY講演の模様(NNN)
中共軍が台湾侵攻に踏み切るか否かは、識者の間でも各々の「対シナ観」で180度違ってくる。そこで前提として認識しておく必要があるのは、中共は今でも台湾侵攻を“解放”と位置付けていることだ。
侵略ではなく、あくまで“解放”なのである。実際に武力行使に踏み切るかどうか見極めるうえで、そうした中共の表現は重要な指針となる。
この発言の続いて石原都知事は、台湾有事に絡んで日米関係にも言及している。それはモンデール発言を下敷きにした指摘だったようだ。
「米国がどれだけ日本の防衛に責任を持つかは極めて疑問だ」(時事通信)
1996年、モンデール駐日大使は「尖閣諸島の紛争では日米安保は発動されたない」と明言。石原都知事らが激高して猛批判を行ない、モンデールは更迭された。しかし、クリントン政権は1年半も新任大使を赴任を拒絶。近年における日米同盟最大の危機であった。
▽気候サミットに出席する石原都知事(AP)
ワシントンはその後「尖閣は日米安保の適用範囲」と繰り返し明言しているが、日本側の不信感は完全に消えていない。NYの講演で石原都知事は再び米政権を脅した。
それはワシントンが耳にしたくないパンチ力のある言葉だった…
【日本核武装と日米同盟の黄昏】
「駄目なら駄目で日本は自分で自分を守る努力をしますし、それはアメリカが懸念している核保有につながるかも知れませんね」(JNN)
▽NY講演での石原都知事(AP)
この核保有発言を絶賛する。
日本核武装論は発言すること自体に大きな意味がある。本来ならば国政議員の大物が口にすべきだが、都知事の発言も充分に重い。
自民党の幹部クラスが発言を控える中で、ジョーカー的に石原都知事が直言したのは実に効果的だ。核保有をチラつかせることは、米国に留まらず、特亜3国に対しても強い牽制力を持つ。
更に石原都知事は、こう訴える。
「米国にとって日本の存在感が軽いものになっている」(産経新聞)
「日本は決して(米自治領の)プエルトリコのような存在ではないと日米両国民が認識し直す必要がある」
「日本が本当にアメリカにとって守るべき価値があるかないかという事への対応をしっかりした方が良い」(共同通信)
言葉は激しいが、どこか「日米同盟の黄昏」を予見しているかのような憂いを含む発言だ。石原都知事は、ポスト・ブッシュの時代、つまり米民主党政権の誕生に強い危機感を持っているように感じられる。
モンデール発言で日米関係が危機的な状況に陥った時も民主党政権下だった。来年の秋以降にシナが混乱期を迎えるとすれば、ヒラリーやオバマ政権の誕生はバッド・タイミングだ。
▽気候サミットでも米批判(NNN)
米民主党は通商分野こそ反中的だが、軍事面では明らかに及び腰。台湾海峡に暗雲が立ち籠めても、二の足を踏む可能性が高い。中共から見れば、そこに付け入る隙はあるだろう。
石原都知事は、その辺りをズバリ指摘している。
「日米関係の将来に大きな意味を持つのは、中国をどう認識し、評価するかだ」(読売新聞)
対中認識は実に重要だ。中共を“平和勢力”と見なすか、または「危険な政権」と捉えるかで全く意見が異なり、議論は永遠に噛み合ない。
それは日米関係に限らず、憲法論議や集団的自衛権の解釈でも基底に潜む重要な認識だろう。
▽講演で熱弁ふるう石原都知事(AP)
石原都知事の中共認識は「7000万人を殺した政権」
実に明快な回答である。親中派の言論人や反日・媚中メディアから毛嫌いされる理由もよく分かる…
歯に衣着せぬ中共批判が政治家・石原慎太郎の真骨頂。やっぱり日本には石原節が必要だ。
〆
最後まで読んで頂き有り難うございます♪
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発 となります
↓

***************
【side story】
各メディアで部分的に取り扱われたNY講演での発言をまとめてみました。消失しているもの以外は、下記にソースを明示します。明らかになっている発言をカタログ的に全て収録したつもりですが、漏れがあるかも知れません。
また混乱を避ける為、17日の講演会以外の発言は色分けしました。
参考記事:
産経新聞5月18日『石原都知事、NYで講演 米が責任果たさぬなら核保有も』
時事通信5月18日『日本核保有の可能性も=中国の「軍事冒険主義」を警戒-石原都知事』
日テレ5月18日『石原都知事「信用できない」と米政府を非難』
読売新聞5月18日『石原知事、米の日本防衛に懐疑的見方…NYでの講演で』
スポニチ5月18日『石原都知事 ニューヨークで米国批判』(共同通信)
参照:
石原慎太郎『日本よ』2006年10月(『宣戦布告』より)
この記事へのコメント
米国にとっても日本はかけがえの無い国になっているのだから。
後4年あるとは言え、その後は政界を引退するおつもりなのだろうから、纏めに入っているのは間違いない、先ずは、日本の外務省が云うべき事を、東京都知事と言う立場で代弁しなきゃならない現状を国民に示したと言う処か。
「日本は米国に以前のような信頼を置けなくなっている」、是は是非云って措いて貰いたかった事です、モンデール氏の様な民主党だから、とは思っていたが、所詮、他の国の防衛を肩代わりできっこない事を自ら示したダケ、正体を顕わしたと云うのが真実なのだろう、唯、そう観ても、其れを口に出来る人が居なかった。
そう言う面も外交には必要だと言うことです、武器は使いようです、近代の戦闘力や火器の性能をフルに使って双方が戦って得られる結論は、人類の破滅ですから、外交は戦略の段階で戦争を小出しにするしかないのです、そう言う意味なら、核武装はどうしても避けられないでしょう、主権国家であろうとするなら、仕方がないことです。
しかし、それ以上に感心するのは、石原氏が言えば万人を納得させてしまうこと。同じことを例えば安倍首相が言ったら袋叩きにあってしまう。そこがスケールの違いか?
シナのとどまるところを知らない最近のエゲツなさを見れば、北京五輪までもつかどうかも怪しい。
高山正之が「哀訴」と題して週刊新潮に実に意味深なことを書いている。シナが黄昏れてきた。面白くなってきた。
世界最大の殺人鬼を崇め奉る・・・基地外だ。
崇め奉るは 天皇陛下のみ。
ヒラリーは絶対、自身の親中姿勢を変えないでしょうし。米民主もダメでしょう。台湾や尖閣有事の際も絶対にあてにならないことは明白です。
とにかく、今回の正当な核武装発言は有益ですね。我が国の主権・国民を守る国としての義務・責任、それを公に語っても何の問題も無いという事も明らかになったのですから。
出番ですよ、ここを見ている真保守の政治家の皆さん。あなた方が思っている“日本国民を守りたい”という意思を堂々と公言し、行動できるキッカケになったんですよ。都知事は。遠慮せずに、ドンドン発言・行動してください。
我々、日本人の子孫達の未来を守るために。
その結果、党の思惑通り株式ブームになり、株価は1年間で2.3倍に上昇。5月初めには、証券会社や投資信託の口座数が9100万を超えた。私有財産の権利意識が急速な勢いで大衆に浸透していることになる。
共産支那では政府機関や国有企業、警察や軍関係の機関が株式を保有している。共産党は最大の既得権益集団と化しているのだ。
資本主義米国でも株式の管理は厄介である。党にそれが可能であるとは、どうしても思えない。この2月の物権法の成立と言い、共産支那は、着実に共産主義を放棄してきている。党員は、主義ではなく、利権を守るために共産独裁体制を死守するだろう。
後は、石原氏の予言、民主化を求める人民との戦いがあるのみ。共産支那の未来は限りなく暗い。日本マスコミの報道の重要性が高まっている。今度こそ国民を裏切らないで欲しい。
反応も無いところを見るとズバリ脅威を感じているでしょう、沈黙は恐怖の証。
贅沢ですが、アメリカは蒋介石馬賊を間違って応援挙句の果てに中華人民共和国を作り上げた事を言って欲しかった、記者会見の付録。
石原さん歯に衣着せずまことに良くぞ言ってくれました。久しぶりに溜飲の下がった思い。これからもどんどん発言していただきたいものである。
支那のおそるべき反人類的食料生産の忌まわしい実態を全世界に広く知らしむること。前途ある有望なアスリート達の健康が、明らかに人体に有害な食物を平気で供給し続けている支那の腐敗体制によって著しく損なわれてしまうかもしれぬ現実、それどころか食中毒死に至る可能性の高さを、徹底的に弾劾糾弾すべきである。こんな発展途上国、人権軽視体制に、オリンピック主催など絶対に不可能であるという客観的な否定評価を突きつけること。何よりもそうした死菜倫ピックのボイコット運動を、全世界的なムーブメントとして一刻も早く巻き起こすべきであろう。
私の定義ではは「国会議員とは国民の代表として自国民の利益と安全を守るもの」なのですが、加藤・山拓・土井たか子・村山富一・民主党あたりが売国奴(この表現は嫌いなのですが残念ながらそれ以外の適切な表現が見当たりません)ならばまさしく日本の安全と利益を守るための発言でした。
馬鹿議員と馬鹿コメンテーターは「日本よ」を読んで小学生の見識から抜け出してまともな考えを持って欲しい。感情論では決して国は守れないのだから。
支那・朝鮮に媚びる新聞・TVを糾弾せよ!
特亜3国は地球規模の癌である。
露助も同様、約束など交わせる国家・民族ではない。
支那・朝鮮に媚びる新聞・TVを糾弾せよ!
特亜3国は地球規模の癌である。
露助も同様、約束など交わせる国家・民族ではない。
支那・朝鮮に媚びる新聞・TVを糾弾せよ!
特亜3国は地球規模の癌である。
露助も同様、約束など交わせる国家・民族ではない。
ですから、米国で、世界でどのように報じられたかを検証する必要があると思います。
与野党問わず、こうした発言があるべきですね。国会議員に知米派が極端に減少しているのが気になる所です。
>神谷晃良さま
こんにちは。ホントに石原都知事で良かった…メディアもこうした物言いが人気の秘密だと素直に理解すれば良いのですが。
>ナポレオン・ソロさま
確かに有名政治家としては度胸がいる発言で、恐れ入りました。誰もが薄々感じていてる事でも政治家は言葉にする作業が大切です。
>ごんべえ様
適切な時期と場所がグッド。反日メディアは安倍叩きで忙しく問題視しない感じ。堂々たる言い方も批判をはね除ける要素ですね。
>駱駝さま
痛快とか、溜飲が下がる…という表現がピッタリです。しかも、短いセンテンスで判り易いのがいい。
台湾有事を甘く見ている政治家が多そうです。緊急のテーマなのですが…。後に続く若い政治家が登場して欲しいものです。
>名無しの経営者さま
株価上昇で資産激増しているのは党幹部や家族。暴落と政界激震がリンクしている異常構造がメディアでは問われていませんね。
>支持さま
核保有発言が肝です。他にも絶叫する政治家が居ればよいのに…
>古田さま
具体的な数字のあげ方が凄い。中共も文句は言えませんね。昔の米国の甘い観測が中共という怪物を生んだ事への反省も必要です。
>ロトさま
党是のひとつが中華民国“解放”で、それを放棄するといよいよ中共独裁の正当性が失われてしまうと識者が指摘しています。
ホントに痺れる発言です。何時間でも話を聞いていたい政治家と言うのは実際少ないものですね。
>憂国防人さま
五輪に絡んだ関心が欧米ではシナという国家への注目を呼んでいるよう。五輪時期までに正しい理解が進むことを願います。
>世界史は面白い様
今月の『日本よ』も面白かった。ネット版に出ないのが残念ですが、他のテレビ政治家とは言葉の重みが全然違いますね。
>憂国士団さま
反日メディアが石原発言を怖れ、不愉快に思うのは、こうした判り易さが理由か。連中にしたら抹殺したい直言ですね。
>じょーい様
米国では国民から選ばれた政治家は官僚とは重みが違うとか。都民の300万票は有効に使われてますね。
参院選をにらみ、地方でも様々な動きが始まっております。
最近目にしたニュースで最も派手なものは、個人的にはこんなところでしょうか・・・。
http://sports11.2ch.net/test/read.cgi/offmatrix/1164377373/244-245
リンク切れになる事が多いのでです。
http://megalodon.jp/は便利ですよ。
しかし、それだったら日本がいくら軍事力強化しようがアメリカと同盟強化しようが、結局は中国には戦争では勝てないってことでは?それとも石原さんは、中国に戦争で勝つために日本国民の命をいくらでも消耗できる国を作り上げたいんですかね?
どっちにしろ、私は戦争で死ぬのは御免です。防衛費やアメリカに補助してる無駄な金を少しでも減らして、その分日本が戦争に巻き込まれなくて済むような外交をもっとちゃんとやってほしいもんです。
まあ内容はともかく、この人の話術は見事ですね。参考になります。