閣僚が築いたシナ利権の闇…農水省顧問は現役公設秘書
現役秘書を農水省の顧問に据え、営利団体を設立…民主党政権が中共と密かに築いた利権の構図が国会で遂に明かされた。既存メディアが封殺する巨額詐欺疑惑に迫る。
「農水省を舞台にして対中輸出政策の混乱に乗じた“危なっかしい事業”が展開されていることが判りました」
2月9日の衆院予算委で稲田朋美議員は、そう切り出した。先月から永田町とメディアが大きな関心を寄せていた民主党政権の巨大疑惑。その闇に初めて国会でメスが入った瞬間である。
▼猛追及始めた稲田議員2月9日(中継)
「鹿野農水相にお聞ききします。あなたは平成22年12月9日、田中公男氏を農水省顧問に任命しましたが、その時の田中氏の職業は何ですか?」
まず稲田議員は個人名を挙げ、追及を始めた。この田中という人物こそ、我が国とシナを頻繁に往復するなど実務面で暗躍している巨大疑惑のキーパーソン。続く、鹿野の答弁は衝撃的だった。
「これは国会議員の公設秘書であります」
▼答弁する鹿野道彦2月9日
現役の公設秘書が、そのまま農水省の顧問に就いていたのである。いきなり鹿野は隠蔽を図ったが、田中公男は民主党・樋口俊一衆院議員の公設第一秘書だった。
前代未聞の事態だ。各省庁では、顧問や参与が非常勤の国家公務員として民間から登用される。それらは主に研究者や省庁のOBで、現役の与党議員秘書が、活動の傍ら兼務したケースは過去にない。
▼田中顧問の名刺をパネル化し追及
「私どもとしては、田中氏の知見と人脈を活用して対中輸出の拡大を図る為、顧問になって頂いた」
鹿野は田中公男が農水や通商分野のエキスパートであるかのように答弁したが、今の所、この田中が何の専門家か不明だ。またシナ人脈も闇の中である。
だが、実際に東京と北京を結ぶパイプ役として中心的な役割を果たしていたことは事実だ。巨大で異様な疑惑の構図。そのアウトラインが、激しい追及で次々に暴き出された。
【北京・霞が関…闇利権の連携】
「将来的には100万トンのコメ輸出を目指したい」
社会党出身の反日議員・筒井信隆は平成22年12月9日、農水副大臣としてシナを訪問。中共の党直営組織「中国農業発展集団」と覚書を交わした。これは農水省に諮らない独断行為だったとも言われる。
▼覚書交わした筒井2010年12月(現代)
同じ日、霞が関で農水省顧問に就任したのが、樋口議員の公設第一秘書である田中公男だった。異様な対シナ輸出ビジネスが呪われた産声を上げた暗黒日だ。
「この田中顧問は、農水省の経費で中国に3回渡航し、中国側と交渉してモデル事業を立ち上げました。ところが、7月に農水省顧問を辞めています」
▼異様な実態を暴く稲田議員
田中公男は平成23年7月9日に農水省顧問を辞任。そして週末を挟んだ3日後に「農林水産物等中国輸出促進協議会」の代表理事に就任していた。天下りなど可愛いレベルの大問題だ。
農水省顧問として乗り込んでから僅か半年余り…大規模な組織を築いた挙げ句、そのまま“天下った”のである。これも前例のない権力の濫用だ。常軌を逸している。
この協議会は、一般社団法人として設置された。農水省の支援を受けたのは確かだか、管轄下と明言できるか不明だ。何しろHPもなく、実態は不透明。一般の国民が照会する手段はない。
▼稲田議員作成「疑惑の構図」
奥にはどのような魔物が潜んでいるか…まるで暴力団のダミー企業や山岡系マルチ業者並みのブラック度。殆ど地下組織とも言える協議会が、中共党営集団の日本側パートナーなのである。
ここまで明確な違法性は見当たらないが、続いて稲田議員が抉り出したのは、巨額詐欺の疑惑だった。
【政府の特別支援エサに勧誘】
「何よりも問題なのは、多額の入会金と会費を支払った会員企業が、検疫は要らないのだと誤解して入会した可能性がある」
稲田議員が指摘したのは、詐欺事件の構図だ。この協議会に入会するにはランク別に150万円かかるケースもある。そこで勧誘の際、田中公男が「検疫フリー」を騙っていたと稲田議員は告発する。
「昨年8月の協議会の案内には『検疫条件・衛生条件が整っていない為、輸出できない品目については特別に通関できるよう働きかけをしております』と書かれているんです」
▼昨1月に招かれた中共側団体(現代)
農水省顧問が直々に設立した協議会だ。入会を検討する企業も、国の全面バックアップを受けている組織と考える。検疫を含む特別待遇が入会する動機のひとつにあったことは確かだろう。
「検疫については規制緩和で努力している通りに、この田中氏が働きかけをするのは、民間の活動としては当然だ」
特別通関の案内に関しては「承知してない」とシラを切る一方、このように鹿野は弁護した。とても“一般の民間協議会”への農水相の対応ではない。鹿野と田中の黒い関係は明らかだ。
▼追及に興奮し始めた鹿野
そして詐欺疑惑は100万円単位の小口マネーに留まらない。1億円以上を投資した上場企業の存在も囁かれているのだ。この協議会の懐事情はどうなのか…そこを稲田議員は、ズバリ突いた。
「一体ここに何人の会員企業が集まって、いくら会費が集まっているのか。そのうち中国側にいくら支払われ、それがどんなおカネで、未払い額はいくらなのか」
▼不逞閣僚を追い詰める稲田議員
はぐらかす鹿野に対し、前日に質問通告した内容を稲田議員は巻くして立てた。通常は事務方が答弁を作成し、担当大臣が棒読みするだけなのだが、鹿野は答弁を拒否した。
そこに巨額詐欺疑惑の本丸がある。
【核心に触れると「民間扱い」】
「事業に賛同して関わっているのは事実だが、出資については個別の取引なので答えを差し控える」
約1億円を出資したとされる大手製薬会社は1月中旬、夕刊紙の取材に対し、そう答えていた。問題の協議会をめぐって3億円の企業マネーが宙に浮いている疑いが浮上しているのだ。
疑惑の構図は、いわゆる出資トラブルだ。協議会が扱う輸出品は、通常の産品と異なり、北京・全国農業展覧館内にオープン予定の「日本農産品常設展示館」に運び込まれる。
▼北京市内の全国農業展覧館(file)
展示品扱いが曲者で、それが「特別な通関措置・検疫フリー」にも信憑性を与えた。元からトリッキーな要素が濃いのだが、資金集めに当たり、協議会は昨年8月の案内で、こう明記していた。
「10月初旬の国慶節前に当たる9月20日の開館を目指します」
参照:社団法人日本農業法人協会HP平成23年8月9日『一般社団法人農林水産物等中国輸出促進協議会のご案内(PDF)』
協議会は昨年9月の展示開始を宣伝して会員を募ったのだ。しかし、現在も常設展示館はオープンしてない。それにも関わらず、協議会は巨額の出資金を既に中共側に送金したと疑いがあるという。
常設展示館がオープンせず、出資金が戻らなければ、巨額詐欺事件となる。開館の遅れは、出資金が思うように集められなかった為と指摘されるが、真相は不明だ。
▼農水省による常設展示館の案内
参照:農水省HP平成23年1月『日本農産物常設展示ホール 企画案(PDF)』
小口の入会詐欺と巨額の出資金詐欺。その二つに狙いを定めた稲田議員の追及は的確だった。さすが弁護士である。一方の鹿野は、答弁拒否どころか逆ギレする始末だった。
「政府の立場の私が民間の問題について申し上げることは出来ない」
堂々の矛盾答弁だ。稲田議員が協議会を「危なっかしい」と表現したことに鹿野は激高し、発言撤回を3度も要求。身内同然に守ったが、核心部分は「民間だ」と他人を装う。これだけも即時辞任に値する。
▼事前通告の質問で答弁拒否
そして詐欺疑惑で広告塔の役割を果たしたのが、野田佳彦だった。
【動揺して歩き回る鹿野の醜態】
「訪中直前に筒井副大臣から、この常設展示館を視察して欲しいと要請され、空港に降りて、首脳会議が始まる前の道すがら、10分程つくっている様子を見てきました」
昨年12月のシナ訪問で野田は、問題の常設展示館に立ち寄っていた。これは外務省も発表済みだ。鹿野が民間と言い切った協議会の“販売会場”を首相が視察するという支離滅裂の事態である。
▼北京に到着した野田12月25日(共同)
この協議会に深く関わる鹿野と筒井が、オープンの遅れに危機感を抱いて利用したと考えられるが、野田の責任も免れない。野田の「10分立ち寄り劇」は、筒井の手に掛かると、こう一変する。
「野田総理が訪中をした際に、一番冒頭で、その展示館予定の建物を視察をして頂きました」
▼会見する筒井信隆1月12日(農水省HP)
参照:農水省HP1月12日『筒井農林水産副大臣記者会見概要』
1月12日に開かれた副大臣会見の発言だ。シナ訪問で真っ先に視察したことに様変わりしている。そして、この会見で筒井は温家宝と野田の会談で展示館について話し合われたと言明している。しかし…
「首脳会談で私が何か言ったということはありません」
筒井発言を引用した稲田議員の質問を野田は完全否定。どちらかが嘘を付いているのだ。見逃せない問題である。筒井もシナ訪問に随行し、温家宝との会談に同席していた。
▼野田・温家宝会談12月25日(代表)
農水副大臣が首脳会談に同席し、なおかつ首相から2人目という高ランクの位置に座っている。極めて不自然なスタイルだ。その一方で野田の答弁からは筒井を突き放しているようにも見えた。
スキャンダル炸裂を前に閣僚らは距離を取り始めているのか…稲田議員の質問途中から鹿野は、動揺が隠せなくなり、歩き回って委員長から注意される失態も演じた。
▼異常動作の鹿野を見る安住
興奮する鹿野を冷めた眼で眺める安住淳の姿が実に印象的である。
【民主党が築いたシロアリの巣】
協議会をめぐる問題は、1月初め頃、告発文書が永田町に出現したことで注目を集めた。発信者不明の怪文書扱いだが、1月末に「二階堂.com」が全文を公開。誰でも内容を確認することが出来る。
参照:二階堂.com1月26日『例の怪文書』
稲田議員の質問は、独自の調査を踏まえたもので、告発文書の流用ではない。疑惑全体の構図は同じだが、文書は関係者が軒並み実名で登場。またシナ側の汚職にも触れているのが特徴だ。
▼永田町に出回った文書(ZAKZAK)
現段階で、どこまでが真実なのか見当もつかない。それでも、野田のシナ訪問で強引に介入してきた筒井に対し、外務省が強い不快感を示していることは簡単に読み取れる。
そして、この告発文書をめぐって在京メディアが裏取りに走り、捜査機関が内偵を始めているとも囁かれていた。だが、満を持して行われた2月9日の稲田議員の質問を受けての反応は意外だった。
▼動揺して歩き回る鹿野2月9日
産経新聞が短く伝えただけで、他は無視したのだ。これこそ異様な状況である。稲田議員が事実を積み上げて追及した部分だけでも重大なスキャンダルだった。
民主党政権の閣僚が、公設秘書を現役のまま農水省に顧問として送り込み、国費を使って営利団体を組織。民間業者と位置づけて情報公開を拒みながら、閣僚が公然と今も支援を続けているのだ。
▼農水疑惑に答弁する野田2月9日
表層の部分だけでも、猛批判で政権が窮地に追い込まれて当然の問題である。それにも関わらず、大半のメディアが国会質問を隠蔽し、1行も1秒も報じなかった…
■鹿野追及劇は13分過ぎから
政権交代に際して野田佳彦は、省庁所管法人の大幅削減を約束し、天下り官僚をシロアリと罵った。働き者のシロアリに対して失礼な物言いである。
民主党政権は、国民が知らない間に党員を省庁に送り込み、シロアリの巣を築いていたのだ。
〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
クリック1つが敵に浴びせる銃弾1発となります
↓

***************
【Side story】
さる2月4日に西村幸祐さんの衝撃作『「反日」の構造』が文芸社文庫から発刊されました。単行本として平成16年末に世に送られてから約8年、文庫版として再登場です。
前にも語ったことがありますが『「反日」の構造』は、私にとって思想的な転換をもたらした重要な書物でした。それまで、メディアに登場する不愉快な評論家たちは、単純に左翼思想の持ち主だと思っていました。ところが連中は、左翼・右翼といった旧時代的であっても世界標準のカテゴリーでは、ジャンル分け出来ない特殊な生物だったのです。そこで軸になるのが「反日」でした。
例えば、今も慰安婦捏造問題に大きな影響を影を落としている加藤紘一談話や河野談話は、冷戦構造の崩壊後まもなく出現したものです。「我が国がナゼ急速に左傾化したのか…」と長く謎に思っていたのですが、解答が『「反日」の構造』に記されていました。
原因と結果が逆で、東西冷戦の終わりが反日の強化に直結していたのです。文庫版では57頁に、重要な定義が記されています。
「<反日ファシズム>とは、マルクス主義崩壊後も東アジア全体で冷戦構造を保とうとする全体主義であり、さらに、同質的な価値観、均一な思考で日本という国家の枠組みを破壊する全体主義と定義できる」
拙ブログのトップページにある一文は、このセンテンスをもじったものです。古い思想の「左右」に捕われたままの、当時の保守論壇に一石を投じる新視点でした。
本書の第7章では、日韓友情年と冬ソナブームに背後に電通の成田社長が関与していたことが明記されています。昨年の花王・CX批判に繋がる重要な指摘でした。共産勢力の防波堤と見られていた韓国を「反日」という軸で見つめ直すことで、敵の姿が鮮明になったのです。
単行本未読の方は、文庫版化を機会に触れてみて下さい。そして読後に驚くかも知れません。8年前と比べて「反日の構造」は、弱まることなく、より強固に狡猾になっています。
☆『「反日」の構造』(文芸社文庫)
アマゾン購入ページ
↓
http://www.amazon.co.jp/dp/4286120414/
エントリ参考記事:
■産経新聞2月9日『鹿野農水相が不可解な人事に関与? 自民・稲田氏が追及』
■ZAKZAK1月23日『民主騒然!閣僚クラスの“怪文書”流れる…警視庁も重大関心』
■週刊朝日EX2月3日号『首相「訪中」で蠢く 農水省の対中国輸出』
参照:
□現代ビジネスH23年3月10日『特集 攻める農業 中国へ輸出』
□農水省HP平成23年1月28日『「対中国米輸出ビジネス懇談会」の開催について』
□農水省HP平成23年1月28日『中国輸出促進会議概要(PDF)』
□農水省HP平成22年12月9日『筒井農林水産副大臣の中国農業発展集団との意見交換について』
□外務省HP12月25日『野田総理大臣の日本産農林水産品・食品常設展示館視察(概要)』
「農水省を舞台にして対中輸出政策の混乱に乗じた“危なっかしい事業”が展開されていることが判りました」
2月9日の衆院予算委で稲田朋美議員は、そう切り出した。先月から永田町とメディアが大きな関心を寄せていた民主党政権の巨大疑惑。その闇に初めて国会でメスが入った瞬間である。
▼猛追及始めた稲田議員2月9日(中継)
「鹿野農水相にお聞ききします。あなたは平成22年12月9日、田中公男氏を農水省顧問に任命しましたが、その時の田中氏の職業は何ですか?」
まず稲田議員は個人名を挙げ、追及を始めた。この田中という人物こそ、我が国とシナを頻繁に往復するなど実務面で暗躍している巨大疑惑のキーパーソン。続く、鹿野の答弁は衝撃的だった。
「これは国会議員の公設秘書であります」
▼答弁する鹿野道彦2月9日
現役の公設秘書が、そのまま農水省の顧問に就いていたのである。いきなり鹿野は隠蔽を図ったが、田中公男は民主党・樋口俊一衆院議員の公設第一秘書だった。
前代未聞の事態だ。各省庁では、顧問や参与が非常勤の国家公務員として民間から登用される。それらは主に研究者や省庁のOBで、現役の与党議員秘書が、活動の傍ら兼務したケースは過去にない。
▼田中顧問の名刺をパネル化し追及
「私どもとしては、田中氏の知見と人脈を活用して対中輸出の拡大を図る為、顧問になって頂いた」
鹿野は田中公男が農水や通商分野のエキスパートであるかのように答弁したが、今の所、この田中が何の専門家か不明だ。またシナ人脈も闇の中である。
だが、実際に東京と北京を結ぶパイプ役として中心的な役割を果たしていたことは事実だ。巨大で異様な疑惑の構図。そのアウトラインが、激しい追及で次々に暴き出された。
【北京・霞が関…闇利権の連携】
「将来的には100万トンのコメ輸出を目指したい」
社会党出身の反日議員・筒井信隆は平成22年12月9日、農水副大臣としてシナを訪問。中共の党直営組織「中国農業発展集団」と覚書を交わした。これは農水省に諮らない独断行為だったとも言われる。
▼覚書交わした筒井2010年12月(現代)
同じ日、霞が関で農水省顧問に就任したのが、樋口議員の公設第一秘書である田中公男だった。異様な対シナ輸出ビジネスが呪われた産声を上げた暗黒日だ。
「この田中顧問は、農水省の経費で中国に3回渡航し、中国側と交渉してモデル事業を立ち上げました。ところが、7月に農水省顧問を辞めています」
▼異様な実態を暴く稲田議員
田中公男は平成23年7月9日に農水省顧問を辞任。そして週末を挟んだ3日後に「農林水産物等中国輸出促進協議会」の代表理事に就任していた。天下りなど可愛いレベルの大問題だ。
農水省顧問として乗り込んでから僅か半年余り…大規模な組織を築いた挙げ句、そのまま“天下った”のである。これも前例のない権力の濫用だ。常軌を逸している。
この協議会は、一般社団法人として設置された。農水省の支援を受けたのは確かだか、管轄下と明言できるか不明だ。何しろHPもなく、実態は不透明。一般の国民が照会する手段はない。
▼稲田議員作成「疑惑の構図」
奥にはどのような魔物が潜んでいるか…まるで暴力団のダミー企業や山岡系マルチ業者並みのブラック度。殆ど地下組織とも言える協議会が、中共党営集団の日本側パートナーなのである。
ここまで明確な違法性は見当たらないが、続いて稲田議員が抉り出したのは、巨額詐欺の疑惑だった。
【政府の特別支援エサに勧誘】
「何よりも問題なのは、多額の入会金と会費を支払った会員企業が、検疫は要らないのだと誤解して入会した可能性がある」
稲田議員が指摘したのは、詐欺事件の構図だ。この協議会に入会するにはランク別に150万円かかるケースもある。そこで勧誘の際、田中公男が「検疫フリー」を騙っていたと稲田議員は告発する。
「昨年8月の協議会の案内には『検疫条件・衛生条件が整っていない為、輸出できない品目については特別に通関できるよう働きかけをしております』と書かれているんです」
▼昨1月に招かれた中共側団体(現代)
農水省顧問が直々に設立した協議会だ。入会を検討する企業も、国の全面バックアップを受けている組織と考える。検疫を含む特別待遇が入会する動機のひとつにあったことは確かだろう。
「検疫については規制緩和で努力している通りに、この田中氏が働きかけをするのは、民間の活動としては当然だ」
特別通関の案内に関しては「承知してない」とシラを切る一方、このように鹿野は弁護した。とても“一般の民間協議会”への農水相の対応ではない。鹿野と田中の黒い関係は明らかだ。
▼追及に興奮し始めた鹿野
そして詐欺疑惑は100万円単位の小口マネーに留まらない。1億円以上を投資した上場企業の存在も囁かれているのだ。この協議会の懐事情はどうなのか…そこを稲田議員は、ズバリ突いた。
「一体ここに何人の会員企業が集まって、いくら会費が集まっているのか。そのうち中国側にいくら支払われ、それがどんなおカネで、未払い額はいくらなのか」
▼不逞閣僚を追い詰める稲田議員
はぐらかす鹿野に対し、前日に質問通告した内容を稲田議員は巻くして立てた。通常は事務方が答弁を作成し、担当大臣が棒読みするだけなのだが、鹿野は答弁を拒否した。
そこに巨額詐欺疑惑の本丸がある。
【核心に触れると「民間扱い」】
「事業に賛同して関わっているのは事実だが、出資については個別の取引なので答えを差し控える」
約1億円を出資したとされる大手製薬会社は1月中旬、夕刊紙の取材に対し、そう答えていた。問題の協議会をめぐって3億円の企業マネーが宙に浮いている疑いが浮上しているのだ。
疑惑の構図は、いわゆる出資トラブルだ。協議会が扱う輸出品は、通常の産品と異なり、北京・全国農業展覧館内にオープン予定の「日本農産品常設展示館」に運び込まれる。
▼北京市内の全国農業展覧館(file)
展示品扱いが曲者で、それが「特別な通関措置・検疫フリー」にも信憑性を与えた。元からトリッキーな要素が濃いのだが、資金集めに当たり、協議会は昨年8月の案内で、こう明記していた。
「10月初旬の国慶節前に当たる9月20日の開館を目指します」
参照:社団法人日本農業法人協会HP平成23年8月9日『一般社団法人農林水産物等中国輸出促進協議会のご案内(PDF)』
協議会は昨年9月の展示開始を宣伝して会員を募ったのだ。しかし、現在も常設展示館はオープンしてない。それにも関わらず、協議会は巨額の出資金を既に中共側に送金したと疑いがあるという。
常設展示館がオープンせず、出資金が戻らなければ、巨額詐欺事件となる。開館の遅れは、出資金が思うように集められなかった為と指摘されるが、真相は不明だ。
▼農水省による常設展示館の案内
参照:農水省HP平成23年1月『日本農産物常設展示ホール 企画案(PDF)』
小口の入会詐欺と巨額の出資金詐欺。その二つに狙いを定めた稲田議員の追及は的確だった。さすが弁護士である。一方の鹿野は、答弁拒否どころか逆ギレする始末だった。
「政府の立場の私が民間の問題について申し上げることは出来ない」
堂々の矛盾答弁だ。稲田議員が協議会を「危なっかしい」と表現したことに鹿野は激高し、発言撤回を3度も要求。身内同然に守ったが、核心部分は「民間だ」と他人を装う。これだけも即時辞任に値する。
▼事前通告の質問で答弁拒否
そして詐欺疑惑で広告塔の役割を果たしたのが、野田佳彦だった。
【動揺して歩き回る鹿野の醜態】
「訪中直前に筒井副大臣から、この常設展示館を視察して欲しいと要請され、空港に降りて、首脳会議が始まる前の道すがら、10分程つくっている様子を見てきました」
昨年12月のシナ訪問で野田は、問題の常設展示館に立ち寄っていた。これは外務省も発表済みだ。鹿野が民間と言い切った協議会の“販売会場”を首相が視察するという支離滅裂の事態である。
▼北京に到着した野田12月25日(共同)
この協議会に深く関わる鹿野と筒井が、オープンの遅れに危機感を抱いて利用したと考えられるが、野田の責任も免れない。野田の「10分立ち寄り劇」は、筒井の手に掛かると、こう一変する。
「野田総理が訪中をした際に、一番冒頭で、その展示館予定の建物を視察をして頂きました」
▼会見する筒井信隆1月12日(農水省HP)
参照:農水省HP1月12日『筒井農林水産副大臣記者会見概要』
1月12日に開かれた副大臣会見の発言だ。シナ訪問で真っ先に視察したことに様変わりしている。そして、この会見で筒井は温家宝と野田の会談で展示館について話し合われたと言明している。しかし…
「首脳会談で私が何か言ったということはありません」
筒井発言を引用した稲田議員の質問を野田は完全否定。どちらかが嘘を付いているのだ。見逃せない問題である。筒井もシナ訪問に随行し、温家宝との会談に同席していた。
▼野田・温家宝会談12月25日(代表)
農水副大臣が首脳会談に同席し、なおかつ首相から2人目という高ランクの位置に座っている。極めて不自然なスタイルだ。その一方で野田の答弁からは筒井を突き放しているようにも見えた。
スキャンダル炸裂を前に閣僚らは距離を取り始めているのか…稲田議員の質問途中から鹿野は、動揺が隠せなくなり、歩き回って委員長から注意される失態も演じた。
▼異常動作の鹿野を見る安住
興奮する鹿野を冷めた眼で眺める安住淳の姿が実に印象的である。
【民主党が築いたシロアリの巣】
協議会をめぐる問題は、1月初め頃、告発文書が永田町に出現したことで注目を集めた。発信者不明の怪文書扱いだが、1月末に「二階堂.com」が全文を公開。誰でも内容を確認することが出来る。
参照:二階堂.com1月26日『例の怪文書』
稲田議員の質問は、独自の調査を踏まえたもので、告発文書の流用ではない。疑惑全体の構図は同じだが、文書は関係者が軒並み実名で登場。またシナ側の汚職にも触れているのが特徴だ。
▼永田町に出回った文書(ZAKZAK)
現段階で、どこまでが真実なのか見当もつかない。それでも、野田のシナ訪問で強引に介入してきた筒井に対し、外務省が強い不快感を示していることは簡単に読み取れる。
そして、この告発文書をめぐって在京メディアが裏取りに走り、捜査機関が内偵を始めているとも囁かれていた。だが、満を持して行われた2月9日の稲田議員の質問を受けての反応は意外だった。
▼動揺して歩き回る鹿野2月9日
産経新聞が短く伝えただけで、他は無視したのだ。これこそ異様な状況である。稲田議員が事実を積み上げて追及した部分だけでも重大なスキャンダルだった。
民主党政権の閣僚が、公設秘書を現役のまま農水省に顧問として送り込み、国費を使って営利団体を組織。民間業者と位置づけて情報公開を拒みながら、閣僚が公然と今も支援を続けているのだ。
▼農水疑惑に答弁する野田2月9日
表層の部分だけでも、猛批判で政権が窮地に追い込まれて当然の問題である。それにも関わらず、大半のメディアが国会質問を隠蔽し、1行も1秒も報じなかった…
■鹿野追及劇は13分過ぎから
政権交代に際して野田佳彦は、省庁所管法人の大幅削減を約束し、天下り官僚をシロアリと罵った。働き者のシロアリに対して失礼な物言いである。
民主党政権は、国民が知らない間に党員を省庁に送り込み、シロアリの巣を築いていたのだ。
〆
最後まで読んで頂き有り難うございます
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【Side story】
さる2月4日に西村幸祐さんの衝撃作『「反日」の構造』が文芸社文庫から発刊されました。単行本として平成16年末に世に送られてから約8年、文庫版として再登場です。
前にも語ったことがありますが『「反日」の構造』は、私にとって思想的な転換をもたらした重要な書物でした。それまで、メディアに登場する不愉快な評論家たちは、単純に左翼思想の持ち主だと思っていました。ところが連中は、左翼・右翼といった旧時代的であっても世界標準のカテゴリーでは、ジャンル分け出来ない特殊な生物だったのです。そこで軸になるのが「反日」でした。
例えば、今も慰安婦捏造問題に大きな影響を影を落としている加藤紘一談話や河野談話は、冷戦構造の崩壊後まもなく出現したものです。「我が国がナゼ急速に左傾化したのか…」と長く謎に思っていたのですが、解答が『「反日」の構造』に記されていました。
原因と結果が逆で、東西冷戦の終わりが反日の強化に直結していたのです。文庫版では57頁に、重要な定義が記されています。
「<反日ファシズム>とは、マルクス主義崩壊後も東アジア全体で冷戦構造を保とうとする全体主義であり、さらに、同質的な価値観、均一な思考で日本という国家の枠組みを破壊する全体主義と定義できる」
拙ブログのトップページにある一文は、このセンテンスをもじったものです。古い思想の「左右」に捕われたままの、当時の保守論壇に一石を投じる新視点でした。
本書の第7章では、日韓友情年と冬ソナブームに背後に電通の成田社長が関与していたことが明記されています。昨年の花王・CX批判に繋がる重要な指摘でした。共産勢力の防波堤と見られていた韓国を「反日」という軸で見つめ直すことで、敵の姿が鮮明になったのです。
単行本未読の方は、文庫版化を機会に触れてみて下さい。そして読後に驚くかも知れません。8年前と比べて「反日の構造」は、弱まることなく、より強固に狡猾になっています。
☆『「反日」の構造』(文芸社文庫)
アマゾン購入ページ
↓
http://www.amazon.co.jp/dp/4286120414/
エントリ参考記事:
■産経新聞2月9日『鹿野農水相が不可解な人事に関与? 自民・稲田氏が追及』
■ZAKZAK1月23日『民主騒然!閣僚クラスの“怪文書”流れる…警視庁も重大関心』
■週刊朝日EX2月3日号『首相「訪中」で蠢く 農水省の対中国輸出』
参照:
□現代ビジネスH23年3月10日『特集 攻める農業 中国へ輸出』
□農水省HP平成23年1月28日『「対中国米輸出ビジネス懇談会」の開催について』
□農水省HP平成23年1月28日『中国輸出促進会議概要(PDF)』
□農水省HP平成22年12月9日『筒井農林水産副大臣の中国農業発展集団との意見交換について』
□外務省HP12月25日『野田総理大臣の日本産農林水産品・食品常設展示館視察(概要)』
この記事へのコメント
また一人辞任候補あ増えました。
鹿野の狼狽ぶりはしっかり映っていました。
早く一刻も早くミンスを潰したいですね。
メディアが報じないのは予想どおりでした。
民主党と大手メディア関係者は、外患誘致罪・内乱罪で裁かれるべきだ。(ついでに日教組と在日も)
また、この件にしても、前稿のチベット問題にしても、完全スルーするメディアも同じ穴の狢にほかなりません。
>政権交代に際して野田佳彦は、省庁所管法人の大幅削減を約束し、天下り官僚をシロアリと罵った。働き者のシロアリに対して失礼な物言いである。
民主党政権は、国民が知らない間に党員を省庁に送り込み、シロアリの巣を築いていたのだ。
>>不覚にも吹いてしまいました。おっしゃるとおり働き者の彼らに大変失礼ですね。
こんな不透明な行為を平然とやる売国奴どもはなんとしても叩き潰さなくてはなりません。
今回の件を省みるに。
「報道しない自由」とはもはや、「捏造」あるいは「虚偽報道」のレベルです。
日本人の最大の敵は、日本の報道機関です!!!
社団法人 宝飾美術査定協会
http://www.jasja.jp/officer.html
役 員
理 事 長
山下 八洲夫 (前 参議院議員)
理 事
堀内 信雄 (株式会社中央宝石研究所 前 取締役社長)
理 事
井野 拓磨 (元 国税庁徴収部長)
理 事
金澤 章夫 (元 近畿管区警察局長)
理 事
宮﨑 浩一 (司法書士)
監 事
堀合 洋祐 (公認会計士)
顧問弁護士
千葉 景子 (元 法務大臣)
目につかないところでやってますよ!!